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指導の手帖

家庭教師のバイトをしている大学生の、指導ノウハウや自身の学習体験などを綴るブログ

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2024/May
Friday
01:05:25 Comment(-)
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細胞の基本構造

こんにちは。いつも化学や物理やらを語るのもどうかな~なんて思ってしまう飽き性の音恩です。ワタクシの専門は一応生物ということになっております。というわけで趣向を変えて生物の話などしてみるか。題して「生物学入門」…なんちて。
あくまで入門、しかも「読み物」としての位置づけでございますので、高校生物を逸脱する可能性があります。



私は生物科の学生ですので、大学では生物の授業もたくさん受けております。
ある授業で、先生が質問されました。

「細胞の大きさはどのくらいですか?」

そして先生は私を指差しやがるのです。
ワタクシ生物学科在学中。しかし高校では物理選択者でございます。センター試験を物理化学で突破し、生物科に入った、生物を知らない生物科の学生なのですよ先生。細胞の大きさなんて知りません。なので私は答えました。

「細胞によって大きさもイロイロなんじゃないですかー」

先生は苦笑し、まぁそりゃそうなんだけどさーなんて言いながら、次の話に移ったわけです。
はい、素直に分かりませんと言うのがシャクだっただけです。生物を知らない人間に生物を聞くなぁぁぁっ!と思ったんですが、なにせ学生はその場に100人くらいおりましたので、どの生徒が生物を履修していたかなんて先生は分からなくて当たり前なのですよ。ごめん先生。

でもさ。
細胞の大きさなんですが、そりゃもう大きいものから小さいものまでいろいろあるのは本当なんだもの。
例えば卵の黄身は1個の細胞です。ニワトリの卵、あれは結構な大きさですけれども1個の細胞です。
ヒトの坐骨神経。これもなかなか大きな細胞です。神経細胞は結構長いやつが多いです。
反対に皮膚の細胞は…これはもう顕微鏡でなきゃ見えませんね。血液細胞だって顕微鏡見て初めて分かります。私、嘘はついていません。

でも平均的というか、標準的な細胞の大きさってのは確かにあるそうで、だいた~い直径5~20マイクロメートルくらいが普通の大きさです。ヒトの細胞だと、15~20マイクロメートルくらいなのが多いようです。んでもって、この大きさってのは組織によって決まっています。ヒトの皮とクジラの皮とを比べたって、細胞の大きさはそれほど変わりません。変わるのは、集まっている細胞の数です。

細胞は小さな袋です。これは中3の第2分野で習いますね。
小さな袋の中には、もっと小さなモノがたくさん詰まっています。

まずは。核の中には染色体が入っていて、これがDNAを沢山含みます。DNAは遺伝子の本体です。ワトソンとクリックが発見した二重らせんのなが~い分子ですね。長さにして約2メートル。そんなものが小さい細胞の、その中にあるもっと小さい核という袋の中に納まっています。遺伝子っていうのは生命の設計図みたいなもんですから、設計図がなくなってしまえば細胞は生きていけません。
アメーバという単細胞のプランクトンがいます。勿論こいつも細胞なので、核を持っています。アメーバから核を奪い取ってやると、そのアメーバはやがて死んでしまいます。逆に、核を奪い取ったアメーバにもう一度核を返してあげると、ちゃんと生きることが出来ます。
核について語ると、それだけで記事が一つ出来てしまうので今回はこのへんで。

核のほかに、細胞小器官というものがあります。
たとえば植物の葉緑体。これは光合成をします。
動物や植物の細胞に沢山あるのがミトコンドリアです。これは呼吸をするところです。人間が息をするのは、体中の細胞が息をし、酸素を欲しがっているからです。肺という器官が、一括して体中の細胞の欲しがっている酸素を納入してるんですね。

動物細胞にはゴルジ体というものもあります。これは細胞が合成した物質を溜めたり、分泌したりするところです。実はゴルジ体は植物細胞にもあるのですが…少なくって小さくって、光学顕微鏡では見えません。

古い植物細胞には液胞ってのがあります。液胞の中には細胞液が入っています。新しい植物細胞や動物細胞では液胞は目立ちませんが、この液胞、水を吸収して、細胞内の圧力を正常に保つ働きをしています。

というのも、植物細胞は細胞壁という固い箱に入っていますから、内容量がちょっと増えたり減ったりすると、それだけで内部の圧力が変わって、細胞がダメージを受けちゃうんですね。液胞はそれを防いでるわけです。
そしてこの細胞壁、主成分はセルロースです。セルロース、というのは糖の一種です。中2理科で「デンプンが消化されブドウ糖になる」と習いますが、セルロースもデンプンのように、ブドウ糖がずらずらずら~っとつながった構造をしています。

動物細胞には中心体というものがあります。これは細胞分裂のときに働くヤツです。
細胞分裂のところでもちょっと語ります。

そして!
細胞を包んでいるものが細胞膜です。この膜は高性能でして、細胞に必要なものは通すけれど、必要ないものは通さない性質があります。それを選択的透過性といいます。この膜にはタンパク質がたくさん埋まっています。そのタンパク質にいろいろな機能があるので、膜も高性能になるんですねー。

余談ですが、細胞の中身はまだまだあります。
生きる、ということもひとつの化学反応です(いきなり抽象的な話になったぞ)
その化学反応を担うのがタンパク質ですが、タンパク質を合成するのはリボソームというちっちゃな粒です。

リボソームとよく似た名前のもので、リソソームというものがあります。
こいつは食物から栄養を取り出したり、イラナイ分子を分解して再利用したり、排出したりします。

小胞体は細胞が外に運び出す物質と、細胞膜の成分を作ります。

そして細胞はただの袋ですから、外から圧力を受けるとぐしゃっとつぶれてしまう恐れがあります。でもそうなると、大事な遺伝情報をもつ核がつぶれてしまうし、もしかしたら袋が破けちゃうかもしれません。そうならないように、細胞の中には細胞骨格というものがあります。傘の骨の部分のように、細胞骨格は、袋を内側から支えています。しかし骨とはいっても、こいつらは伸びたり縮んだりする柔軟な骨なのです。


とりあえず細胞の中身をさらっと紹介してみましたが、これを読んで「細胞って楽しい!」と思える人は皆無でしょう。逆に「楽しいっ!」と思った人は最初からこの分野に興味のある人なんですから、こんな記事読まなくたって自分でお勉強しているのですよ。
ええ、そりゃあ生物に興味ない人が読んでくれるわけはなさそうなのですが…これから各器官について詳しく紹介していきたいですね。そうすれば、もう少しくらいは楽しいと思えるかもしれません。

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2008/Jan
Wednesday
09:09:09 Comment(0)
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カテキョのバイトを行う大学生。実は元・落ちこぼれ。指導モットーは『教わる気があるなら教えてやる』
傲慢と思われるかもしれませんが、ヤル気のないヤツに教える気はないのですw
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