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こんにちは。いつも化学や物理やらを語るのもどうかな~なんて思ってしまう飽き性の音恩です。ワタクシの専門は一応生物ということになっております。というわけで趣向を変えて生物の話などしてみるか。題して「生物学入門」…なんちて。
あくまで入門、しかも「読み物」としての位置づけでございますので、高校生物を逸脱する可能性があります。
★
私は生物科の学生ですので、大学では生物の授業もたくさん受けております。
ある授業で、先生が質問されました。
「細胞の大きさはどのくらいですか?」
そして先生は私を指差しやがるのです。
ワタクシ生物学科在学中。しかし高校では物理選択者でございます。センター試験を物理化学で突破し、生物科に入った、生物を知らない生物科の学生なのですよ先生。細胞の大きさなんて知りません。なので私は答えました。
「細胞によって大きさもイロイロなんじゃないですかー」
先生は苦笑し、まぁそりゃそうなんだけどさーなんて言いながら、次の話に移ったわけです。
はい、素直に分かりませんと言うのがシャクだっただけです。生物を知らない人間に生物を聞くなぁぁぁっ!と思ったんですが、なにせ学生はその場に100人くらいおりましたので、どの生徒が生物を履修していたかなんて先生は分からなくて当たり前なのですよ。ごめん先生。
でもさ。
細胞の大きさなんですが、そりゃもう大きいものから小さいものまでいろいろあるのは本当なんだもの。
例えば卵の黄身は1個の細胞です。ニワトリの卵、あれは結構な大きさですけれども1個の細胞です。
ヒトの坐骨神経。これもなかなか大きな細胞です。神経細胞は結構長いやつが多いです。
反対に皮膚の細胞は…これはもう顕微鏡でなきゃ見えませんね。血液細胞だって顕微鏡見て初めて分かります。私、嘘はついていません。
でも平均的というか、標準的な細胞の大きさってのは確かにあるそうで、だいた~い直径5~20マイクロメートルくらいが普通の大きさです。ヒトの細胞だと、15~20マイクロメートルくらいなのが多いようです。んでもって、この大きさってのは組織によって決まっています。ヒトの皮とクジラの皮とを比べたって、細胞の大きさはそれほど変わりません。変わるのは、集まっている細胞の数です。
細胞は小さな袋です。これは中3の第2分野で習いますね。
小さな袋の中には、もっと小さなモノがたくさん詰まっています。
まずは核。核の中には染色体が入っていて、これがDNAを沢山含みます。DNAは遺伝子の本体です。ワトソンとクリックが発見した二重らせんのなが~い分子ですね。長さにして約2メートル。そんなものが小さい細胞の、その中にあるもっと小さい核という袋の中に納まっています。遺伝子っていうのは生命の設計図みたいなもんですから、設計図がなくなってしまえば細胞は生きていけません。
アメーバという単細胞のプランクトンがいます。勿論こいつも細胞なので、核を持っています。アメーバから核を奪い取ってやると、そのアメーバはやがて死んでしまいます。逆に、核を奪い取ったアメーバにもう一度核を返してあげると、ちゃんと生きることが出来ます。
核について語ると、それだけで記事が一つ出来てしまうので今回はこのへんで。
核のほかに、細胞小器官というものがあります。
たとえば植物の葉緑体。これは光合成をします。
動物や植物の細胞に沢山あるのがミトコンドリアです。これは呼吸をするところです。人間が息をするのは、体中の細胞が息をし、酸素を欲しがっているからです。肺という器官が、一括して体中の細胞の欲しがっている酸素を納入してるんですね。
動物細胞にはゴルジ体というものもあります。これは細胞が合成した物質を溜めたり、分泌したりするところです。実はゴルジ体は植物細胞にもあるのですが…少なくって小さくって、光学顕微鏡では見えません。
古い植物細胞には液胞ってのがあります。液胞の中には細胞液が入っています。新しい植物細胞や動物細胞では液胞は目立ちませんが、この液胞、水を吸収して、細胞内の圧力を正常に保つ働きをしています。
というのも、植物細胞は細胞壁という固い箱に入っていますから、内容量がちょっと増えたり減ったりすると、それだけで内部の圧力が変わって、細胞がダメージを受けちゃうんですね。液胞はそれを防いでるわけです。
そしてこの細胞壁、主成分はセルロースです。セルロース、というのは糖の一種です。中2理科で「デンプンが消化されブドウ糖になる」と習いますが、セルロースもデンプンのように、ブドウ糖がずらずらずら~っとつながった構造をしています。
動物細胞には中心体というものがあります。これは細胞分裂のときに働くヤツです。
細胞分裂のところでもちょっと語ります。
そして!
細胞を包んでいるものが細胞膜です。この膜は高性能でして、細胞に必要なものは通すけれど、必要ないものは通さない性質があります。それを選択的透過性といいます。この膜にはタンパク質がたくさん埋まっています。そのタンパク質にいろいろな機能があるので、膜も高性能になるんですねー。
余談ですが、細胞の中身はまだまだあります。
生きる、ということもひとつの化学反応です(いきなり抽象的な話になったぞ)
その化学反応を担うのがタンパク質ですが、タンパク質を合成するのはリボソームというちっちゃな粒です。
リボソームとよく似た名前のもので、リソソームというものがあります。
こいつは食物から栄養を取り出したり、イラナイ分子を分解して再利用したり、排出したりします。
小胞体は細胞が外に運び出す物質と、細胞膜の成分を作ります。
そして細胞はただの袋ですから、外から圧力を受けるとぐしゃっとつぶれてしまう恐れがあります。でもそうなると、大事な遺伝情報をもつ核がつぶれてしまうし、もしかしたら袋が破けちゃうかもしれません。そうならないように、細胞の中には細胞骨格というものがあります。傘の骨の部分のように、細胞骨格は、袋を内側から支えています。しかし骨とはいっても、こいつらは伸びたり縮んだりする柔軟な骨なのです。
とりあえず細胞の中身をさらっと紹介してみましたが、これを読んで「細胞って楽しい!」と思える人は皆無でしょう。逆に「楽しいっ!」と思った人は最初からこの分野に興味のある人なんですから、こんな記事読まなくたって自分でお勉強しているのですよ。
ええ、そりゃあ生物に興味ない人が読んでくれるわけはなさそうなのですが…これから各器官について詳しく紹介していきたいですね。そうすれば、もう少しくらいは楽しいと思えるかもしれません。
世の中はセンター試験も終わり、今は二次試験対策の季節でしょうか。受験生の皆さん頑張ってね。
というわけで、約1ヶ月の休止期間を置いて、また記事を更新しよう!と思い立った音恩です。三日坊主に終わらないように頑張りますが、なにしろ記事ひとつ書くのに結構時間かかるもので、更新頻度はそんなに上がらないような…なんて言い訳してみる今日この頃。
先月、酸と塩基についてちょこっとだけ説明しましたので、その続きをば。
今日は電離度の話をします。
ここに濃度の同じ塩酸と酢酸水溶液があるとしましょう。
塩酸に亜鉛を放り込みます。すると水素が発生しますね。
では、酢酸は?…酢酸も一応「酸」ですから発生するかもしれませんが…あんまりメジャーな反応ではありません。
どっちも「酸」です。濃度も同じです。しかし、発生する水素の量は違います。なぜ?
それは電離度が違うからです。
電離度、というのは、酸や塩基のような電解質が、水に溶けているとき、溶けている電解質の物質量に対する電離している電解質の物質量の割合のことです。記号αで表します。
一見すると難しく見えてしまう説明です。化学の教科書は、専門用語を使うのが大好きですが(当然だ)、化学に馴染みの薄い方々にとってはとっても不親切です。
とりあえず噛み砕いて説明してみましょう。
塩化水素を水に溶かすと塩酸が出来ます。
その際、塩酸は酸ですからプロトン(H+)を出します。
HCl → H+ + Cl-
塩酸は水に溶かすとプロトンと塩化物イオンに分かれます。食塩を水に溶かすとナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれます。
ちなみにこいつらのように水に溶かすと幾つかのイオンに分かれるやつを電解質といい、電解質の水溶液は電気を通しますが、ここではあまり関係ないです。
勿論、酢酸も酸で電解質ですからプロトンを出します。
CH3COOH → H+ + CH3COO-
でも、塩酸と酢酸ではプロトンの出しやすさが違います。
100個の塩化水素分子があれば、ほぼ100個全員がプロトンを出します。
でも100個の酢酸分子があっても、プロトンを出すのはたかだか1個か2個です。
その物質が幾つのプロトンを出せるのか、というのは物質によって決まっています。
勿論塩基についても同じで、OH-イオンを幾つ出せるのか、という数で塩基の強さが決まります。
ですから、それを数値化してやれば分かりやすいですね。
その数値が電離度なのです。つまり、電離度ってのは『ここにある量の物質があって、そのうちの何割が電離しているか』を表す数です。何割って…ちょっと語弊がありますね。電離度は少数表記なので、「割」という単位は使いませんが、考え方は同じです。電離度に100をかけると「何%が電離しているか」を表せますが、歩合も百分率も、ここでは使いません。
電離度α=出せるH+(またはOH-)の物質量÷溶けている溶質の物質量
というわけで電離度は割合ですので、単位はありません。最高は1になります。
割合なんて苦手だっ!ってな方は、数学の教科書を読んでくださいね。
【例題】
0.10mol/ℓの酢酸2ℓ中に存在するプロトンは何molか?酢酸の電離度は0.016とする
【解答】
酢酸の物質量は
0.01mol/ℓ × 2ℓ = 0.20mol
です。そのうち電離している酢酸は
0.20mol × 0.016(←電離度) = 0.0032mol
になります。
つまりプロトンを出せる酢酸は0.0032molしかいないということです。
じゃあプロトンは?
ここに注意してください。
酢酸1分子が出せるプロトンの数は、1個です。
でもリン酸だったら2、3個出せますし、硫酸だって2個出します。酸や塩基には価数があり、その物質1分子が出せるプロトンの数、というのが決まっています。
今は酢酸だから
0.0032 × 1個 =0.0032mol
で、プロトンの量も0.0032molなのですが、価数が2や3の酸(または塩基)の場合は、電離しているその物質の量に価数をかけた値がプロトンの量なのです。
そして、酸や塩基の強さは電離度によって決まります。
塩酸や硫酸の電離度は1で、水溶液中ではほとんどが電離しています。こういう酸を強酸(または強塩基)といいます。
逆に酢酸や炭酸のように水溶液中であまり電離しない酸(や塩基)のことを弱酸(または弱塩基)といいます。
強酸…塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸
弱酸…それ以外(酢酸、炭酸、硫化水素などなど) リン酸は弱酸と言う人と、中程度の酸と言う人がいます。
強塩基…水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム
アルカリ金属とアルカリ土類金属の水酸化物は強塩基です
弱塩基…それ以外(アンモニア、水酸化銅、水酸化鉄、水酸化マグネシウム)
強酸と強塩基だけ覚えれば、それ以外は弱いんだなーと分かりますね★
初めて化学の記事を書くなあ、と思いつつ、どうもこんにちは、音恩です。
「中高内容のブログにする」ときっぱり言ったはいいですが、どうも高校内容のほうがメインになりそうです。そりゃー、アレだ。高校内容の授業をするときっていうのはきちんと予習するものですから、記事にするネタも増えるわけですよ。中学生の指導ではぶっつけ本番で通用しますからね。
そんなわけで、今日は酸と塩基の話なんてものをしてみましょうかね。
理論化学でよく出てくるのは中和と酸化還元でしょうか?それは偏見?
でも酸とか塩基ってのが大事なことに変わりはないわな。はい、解説いたしますよ。
かる~く読んでね。
何度も書きますが、これは参考書じゃないですから。そんな真剣に読まなくていいのよ(笑)
◆
●酸・塩基の定義
酸ってのを一言で言えば「すっぱいやつ」です。青いリトマス紙につけると、赤くなるやつです。
塩基…かつてはアルカリと呼びました。アルカリは赤いリトマス紙につけると、青くなるやつです。ちなみに苦いです。
中学校では、こんな風に習うと思います。
でも、それだけではすまないんだね。
昔、アレーニウスという人がこんな風に定義をしました。
酸…水に溶けるとH+(H3O+)を生じるもの
塩基…水に溶けるとOH-を生じるもの
これは物質に固有の性質によって酸と塩基を分けています。
でもブレンステッドという人は別の定義の仕方をしました。
酸…H+(プロトン)を他に与えるもの
塩基…H+をもらうもの
じゃあこの反応はどうなるでしょう?
NH3 + H2O → NH4+ + OH-
アンモニアはプロトンをもらったから塩基です。でもそしたら…プロトンをあげちゃった水は酸ということになります。水は酸っぱくありませんが、酸なんです。
これを、広義の定義といいます。反応によって、水は酸にも塩基にもなります。つまり酸とか塩基とかいうのは、反応中の役割だって言ってるんです。
そしたら、化学反応がダーっと書いてあって、「この物質は酸としてはたらくか、塩基としてはたらくか」なんて問題が作れるんだね。見たことありませんか?
とりあえず、この定義は頭の片隅に置いておきましょう。
酸だの塩基だのを誰かに説明するときには、この定義を使って説明してあげましょう。
●酸・塩基の価数
さて。酸や塩基には「価数」というものがあります。
これは簡単。一言で言えば、「その酸(または塩基)が出せるH+(OH-)の数」です。
塩酸の電離の式を書いてみよう。
HCl → H+ + Cl-
です。つまり、1分子の塩酸は、1つのプロトンを出せます。だから価数は1です。
じゃあ硫酸は?
H2SO4 → 2H+ + SO42-
ですね。1分子の硫酸は、2このプロトンを出せます。だから価数は2です。
水酸化ナトリウムはどうでしょう。
NaOH → Na+ + OH-
価数は1ですね。いいですか?OH-はひとつしか出していませんから1ですよ。
●酸性酸化物と塩基性酸化物
酸化物ってのにも、酸だの塩基だのと同じ働きをするやつがあります。そいつらを酸性酸化物、塩基性酸化物と呼びます。
たとえば二酸化炭素。コイツは水に少し溶けて、酸性になります。青色BTB溶液に息を吹き込むと黄色になるのは、二酸化炭素の働きでしたね。
つまり、二酸化炭素は酸としての性質を持っているから酸性酸化物なのです。
じゃあほかに酸性酸化物はどんなものがあるでしょう?
亜硫酸ガス、というものがあります。大気中にこれが増えると、酸性雨が降ります。その化学反応式は
SO2 + H2O → H2SO3 → H+ + HSO3-
です。亜硫酸ガスのことを二酸化硫黄ともいいます。硫黄の酸化物ですね。だから、これも酸性酸化物です。他に、三酸化硫黄(SO3)や、十酸化四リン(P4O10)なんかがあげられます。
こいつらに共通する特徴は何でしょう?
…みんな非金属の酸化物なんですね。但し、水素の酸化物は水なので除外します。それから希ガスはそもそも酸化物を作らないので、除外します。
では塩基性酸化物は?
水に溶けると塩基性になるものをあげてみましょう。
例えば酸化ナトリウム。
Na2O + H2O → 2Na+ + 2OH-
水に溶けると塩基になります。
酸化カルシウム(生石灰)も同様に
CaO + H2O → Ca2+ + 2OH-
ちなみに、最後に出来たCa2+イオンとOH-イオンの水溶液は石灰水です。二酸化炭素を通すと白くにごります。
その他、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化鉄(Ⅱ)なんかも代表的な塩基性酸化物です。
ということは…
塩基性酸化物とは、金属元素の酸化物ということになります。
ちなみに酸化マグネシウムや酸化鉄は水には溶けにくいんですが、酸と中和反応をする、ということで塩基性酸化物なのです。中和については後日あらためて。
◆
ひとまず、酸と塩基とは何か、という大雑把な説明を行いました。
これを踏まえて今後計算問題を解いていきます。
特に「価数」は非常に大切なのでアタマに入れとくといいです。
急遽、カテキョの担当生徒さんが「高校物理の波動が分からない」ということで波動を教えることになった音恩です。
とはいうものの、私が波動の問題を最後に解いたのは2年前…その間、すっかり公式も何もかも忘れてしまいました。そんな私が波動の授業なんかできるのかっ!というわけで、とりあえず予習。
今日も問題。クリックで拡大します。